ワインリストに戻る
エノテカ トレペッシィ
キアンティ クラッシコについて
キアンティ クラッシコがサンジョヴェーゼを主体に、義務付け
られたブドウをブレンドしている頃に一部のワイナリーでは、
サンジョヴェーゼのより優れたクローンの生産に、国際品種の
導入、醸造の技術革新をする事でより複雑でより凝縮感のある、
高品質のワイン造りを成功させました。これら規制に縛られない
ワインの誕生は世界的なマーケットから評価されるようになり。 その事がしがらみに囚われたキアンティ クラッシコの法規を
造り手の考え方をよりワインに反映されるように見直しをされ
ます。その結果はワインに多彩な多様性と独自性をもたらし、
且つ、トスカーナ州全体の品質をも向上させるに至りました。 |
規定の変化
1996年以前のブドウの混醸規定
ぶどう品種 |
割合 |
サンジョヴェーゼ |
50〜80% |
カナイオーロ ネロ |
10〜30% |
その他、コロリーノなど |
5%未満 |
トレッビアーノ トスカーノ マルヴァージア デル キアンティ |
10〜30% |
1996年以降のブドウの混醸規定
ぶどう品種 |
割合 |
サンジョヴェーゼ |
75%以上 |
カナイオーロ ネロ・コロリーノ |
15%以下 |
登録された外来の黒ブドウ |
10%以下 |
トレッビアーノ トスカーノ マルヴァージア デル キアンティ |
6%以下 |
|
2002年以降のブドウの割合
ブドウ品種 |
割合 |
サンジョヴェーゼ |
80%以上 |
登録された黒ブドウ |
20%以下 |
白ブドウは2005年の収穫まで混合可 |
6%以下 |
フィレンツェの南の丘を越えるとキアンティ地区、さらに、
シエナ側に5キロほど行くとキアンティ クラッシコ地区、
それがシエナの手前まで続きます。
無数のコッリーナと呼ばれる小高い丘とコッリオと呼ばれる
600mほどの山々が連なった中腹に各産地があります。
またワインの特徴は、ある程度は主要な土壌の性質で
分けることができます。 (あくまでも傾向なので、絶対的な
指標とはなり得ない点には注意した方がいいです。)
・石灰の割合が多くなると、ワインにより強い酸がもたらされる。
・粘土の割合が増えるとワインの重心が低くなり、
砂の割合が増えるとワインの重心が高くなる。
・沖積土壌や粘土質土壌は肥沃なため、ワインのミネラル感が
控えめになり、岩石や砂の多い土壌は痩せているため、
ワインのミネラル感が強くなる。
以上を抑えた上で、キャンティクラシコ内の土壌とワインの
特徴は、大まかには以下のように分類することができます。
・東部 ガレストロ、アルベレーゼを中心とした土壌
対象エリア:グレーヴェ・イン・キャンティ東部、
ラッダ・イン・キャンティ東部、ガイオーレ・イン・キャンティ東部
石灰質を含む土壌が主体となり標高も高い東部では、重心と
酸が高く、アルコール濃度が低く、ミネラル感に富んだワインに
仕上がります。 キャンティクラシコの中でも、最も繊細で優美な
ワインが生まれるエリアと言えます。
・中央部 アルベレーゼ、ピエトラフォルテを中心とした土壌
対象エリア:グレーヴェ・イン・キャンティ西部、
ラッダ・イン・キャンティ西部、ガイオーレ・イン・キャンティ西部
土壌に石灰質を含みつつもやや標高が下がる中央部では、
中庸の魅力に溢れたワインが産出されています。
バランス感覚に優れた、最も優等生的なワインが生まれる
エリアとも言えます。
このエリアに含まれるパンツァーノ・イン・キャンティは、
高品質のワインが多く生まれるとされています。
・西部 粘土質土壌
対象エリア:サン・カッシァーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーサ南部、
バルベリーノ・タヴァルネッレ西部、ポッジポンシ全域
土壌は粘土の割合が増え標高も低い西部では、重心と酸が
低く、アルコール濃度が高く、おおらかな果実味が主体のワイン
となります。 迫力があり、力強いワインが生まれるエリアです。
・北部 沖積土壌
対象エリア:サン・カッシァーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーサ北部、
グレーヴェ・イン・キャンティ北西部 このエリアは沖積土壌が
多くなり、他のエリアとはかなり個性が異なります。
中央部と同様にバランスに優れたワインが生まれますが、
より丸みを帯びた上品な味わいが特徴と言えます。
・南部 トゥフォを中心とした土壌
対象エリア:カステルヌオーヴォ・ベラルンガほぼ全域、
ガイオーレ・イン・キャンティ南西部
南部は、東側と西側で微妙に個性が異なりますが、トゥフォと
砂質土壌の割合が多い点が特徴的です。 温暖なエリアでも
あり、ワインには土っぽさを伴った味わいと丸みのある果実味、
軽やかで華やかなアロマが得られます。
このように、大まかには分類することができるキャンティ
クラシコですが、2021年にキャンティ クラシコ協会で11の
UGA(=Unita Geografiche Aggiuntive、追加地理的単位)が
承認されました。 これにより、グランセレツィオーネにおいて、
以下の11のコムーネをラベル表示することができるようになりました。
Castellina(カステッリーナ)
Castelnuovo Berardenga(カステルヌオーヴォ・ベラルデンガ)
Gaiole(ガイオーレ)
Greve(グレーヴェ)
Lamole(ラモーレ)
Montefioralle(モンテフィオラッレ)
Panzano(パンツァーノ)
Radda(ラッダ)
San Casciano(サン・カッシァーノ)
San Donato in Poggio(サン・ドナート・イン・ポッジ)
Vagliagli(ヴァリアッリ)
これにより、グランセレツィオーネにおいて生産地域の違いを明確
にして差別化を図ること、ひいてはキャンティ クラシコ全体の品質の
向上が見込まれています。 キャンティ クラシコのこのような訴求は、
テロワール主義=ワインがどの土地で造られたかが重要という、
国際的なワイン市場の流れにも沿っています。 こういった動きも
含めて、キャンティ クラシコはさらに注目を集めています。
地区の土壌はガレストロ(Galestro=石灰質の瓦礫土壌)に
アルベレーゼ(Alberese=石灰質の泥灰土) が主に広がります。
北部はアルベレーゼが広がりペーザ川とグレーヴェ川に浸食
された沖積土壌が浅い表層を成し、下層にはシルト質粘土や
赤ぽいシルト質粘土により独特の個性があります。
中央部のラッダに入るとアルベレーゼとピエトラフォルテ
(Pietrafrte=石灰質の砂岩土壌)を中心に東側のローム質砂に
西側のシルト質ローム、さらにペーザ川上流のシルト質粘土、
グレーヴェ川は上流に向かて青ぽい石灰粘土となります。
南部はトゥフォ(Tufo=石灰質の粘土砂質土壌)を中心に東側と
西側ではシルトと粘土の比率の違いが微妙に個性が異なります。 |
キアンティというワインなサンジョヴェーゼを主体に造られる
赤ワインで、今日では白ワインは存在しません。栽培される
ブドウはエリアが限定され、収穫が出来る重量から絞られる量
まで最大量が決められ、さらに、発酵と熟成させる期間や場所
などの細かな規定がある、保証付き統制原産地呼称 D.O.C.G
(DENOMINAZIONE DI ORIGINE CONTROLLATA E GARANTITA)
の格付が成されているワイン郡です。
(但し、ヴィン サント「Vin Santo del Chianti」という、琥珀色をした
甘口ワインがあります。) さらに、キアンティには副原産地呼称があります。
キアンティ コッリ アレティーニ Chianti Colli Aretini キアンティ コッリ セネージ Chianti Colli Senesi キアンティ コッリ フィオレンティーニ Chianti Colli Fiorentini キアンティ コッリーネ ピサーネ Chianti Colline Pisane キアンティ モンタルバーノ Chianti Montalbano キアンティ モンテスペルトーリ Chianti Montespertoli キアンティ ルフィーノ Chianti Rufino キアンティ クラッシコ Chianti Classico
以上の8つのエリア内で一定条件を満たすことで、これらの エリア名を表記することが出来ます。キアンティ クラッシコに
関しては、コムーネごとに特徴があり、さらに細分化できます。
カステッリーナ イン キアンティ(Castellina in Chianti)、 グレーヴェ イン キアンティ(Greve in Chianti)、 パンザーノ(Panzano)、ラッダ イン キアンティ(Radda in Chianti)、 ガイオーレ イン キアンティ(Gaiole in Chianti)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上の5つはコムーネ全体。
サン カシャーノ イン ヴァル ディ ペーザ(San Casciano in Val di Pesa)、
バルベリーノ ヴァル デルサ(Barberino Val d'Elsa)、
タヴァルネッレ ヴァル ディ ペーザ(Tavarnelle Val di Pesa)、
カステルヌォーヴォ ベラルデンガ(Castelnuovo Berardenga)、
ボッジボンシ(Poggibonsi)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上の5つはコムーネの一部分。
これらはラベルの下の方にImbottigliato(瓶詰にした)から始まる
表記があるはずです。その最後の方に〇×△-Italiaと表記されて
いるはずです。〇×△の場所に上記のコムーネの名前があります。
ただし、一ヵ所のカンティーナで複数のコムーネのワインを造る場合
はカンティーナの場所が表記されています。
*コムーネとは日本では市町村にあたる基礎自冶体。 |
|